《城南旧事》と「北京の想い出」
私が中国語の勉強を本格的に始めたのは、社会人大学で読んだ一冊の本がきっかけだった。その本とは、林海音(日本語読みでは、「りん・かいいん」)の「城南旧事」。
聞くところによると、この作品は中国でもとても有名で、小学校の国語(語文)の教材にもなっているらしい。私が中国語の練習のために、この本の一節を音読すると、多くの中国人に「なんで知ってるの?」と驚かれた。

この本の舞台は北京だが、家に駱駝隊がやってきたりと、かなり昔の話のように思える。実際、1920年台の北京を描いた小説なので、ちょうど100年前の話だ。物語でやってくる駱駝隊は《门头沟》から来ており、これは北京市の山岳地帯らしい。現代では、どんなところなんだろうか。
城南旧事は映画化もされ、これも相当の人気を博したらしい。哔哩哔哩で見ることができる。とはいえ全て中国語なので、まだ中国語学習中の私にはなかなか難しい。

日本でも「北京の想い出」という題名を付けられて上映されたが、残念ながらビデオ販売がされなかった。そのため今では日本語版を見る機会はほとんど無く、辛うじて当時テレビ放送されたものを個人的に録画した人の映像を見せてもらうしかない。

この場面は、主人公の英子が駱駝の鈴の話をしているところ。狼を避けるためだという父親に対して、《才给骆驼带上了铃铛,增加一些行路的情趣》と言う場面です。