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【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 169 [千五百七十七年 八月中旬]

2023-05-27 22:39 作者:爱吃果冻的沙耶  | 我要投稿

书名 战国小町苦劳谭

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作者: 夹竹桃

原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/

翻译工具:ChatGPT

*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*

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千五百七十七年 八月中旬(*原文网页序列号 - 193)

里見家の居城である佐貫城に籠城している里見義弘の許に凶報が届いた。


里见义弘正在其居城佐仓城进行籍城,接到了不祥之消息。


それは里見水軍の要でもある勝山城が、織田軍の猛攻に遭い落城寸前だと言う。


那是里见水军的关键之所——胜山城,在织田军的猛攻下岌岌可危,几乎要失守了。


報告を受けた義弘は膝から崩れ落ちそうになり、それを隠すためにも足を踏み鳴らして立ち上がった。


听到汇报,义弘差点跪倒在地,为了掩盖这种情况,他踮起脚尖站了起来。


浮島に守られた勝山城は難攻不落の城塞であり、こうも容易く攻略されるとは悪夢でも見せられているかのようだった。


被浮岛守护的胜山城是一座难以攻破的城堡,如此轻易地被攻陷,简直像是在做梦一样。


勝山城の陥落を防ぐべく救援を派遣しようとしたが、その計画が実行されることはなかった。


为了防止胜山城的陷落,曾计划派遣援军前往,但该计划未能实施。


その後も矢継ぎ早に報告が舞い込み、その悉(ことごと)くが危急を報せるものである。


随后,快速接连不断地收到报告,这些报告全部都是有关紧急情况的通报。


勝山城だけにとどまらず、その補完関係にある金谷城と岡本城までもが砲火に晒されており救援を求めてきた。


不仅是胜山城,与其补完关系的金谷城和冈本城也受到了炮火的袭击,并请求援助。


悪いことは重なるもので、物見から最新の報告として織田軍の艦船が佐貫城近くの海岸に姿を見せたと言う。


坏事往往会连续发生,据物看来,据报道说织田军的船只出现在佐仓城附近的海岸上。


更には小型挺を繰り出して、地上部隊を続々と展開しているのだ。


而且他们还展开了小型武器,接连不断地部署地面部队。


最早一刻の猶予もない事態に追い込まれ、義弘はこれを阻止すべく配下の将に叫ぶ。


被迫处于毫无缓冲的紧急状态,义弘大喊着让手下将领们阻止这一情况。


「織田軍の上陸を許してはならん! 奴らの態勢が整う前に叩くのだ!」


“不可允许织田军上岸!必须在他们准备完备前打击!”


義弘の号令一下、元々兵力を集中させていた佐貫城に詰めていた将兵達が次々と出陣の準備を整える。


义宏一声令下,原本集中兵力守备在佐仓城的将士们纷纷整装出征。


ここが勝負所と踏んだ義弘は、自身も前線に立つと最低限の防備を残して全兵力で織田軍を叩くべく、佐貫城から出立した。


义弘认为这是决战之地,他亲自带兵前往,只留下最基本的防备,全力攻击織田军,他从佐贯城出发。


織田軍が今も上陸中の海岸は、現在で言う千葉県富津市の新舞子海岸であり、佐貫城から目と鼻の先にあるため小細工を弄(ろう)するよりも数的優位を押し付ける作戦だ。


织田军正在登陆的海岸,即今天的千叶县富津市新舞子海岸,这里离佐仓城非常近,所以策略并不是耍花招,而是要发挥数量优势。


「見よ! 奴らの船は沖に留まっておる。今こそ好機! 既に上陸済みの部隊は僅かじゃ、里見武者の底力を見せてくれる。者どもかかれ!」


"看啊!他们的船停在海岸附近。现在是个好机会!已经登陆的部队很少,展现出里见武士的实力吧。大家,上啊!"


義弘の目には沖の母船と海岸を小型艇で往復し、上陸に手間取っている織田軍の姿が飛び込み、これが彼らを視野狭窄(きょうさく)に陥らせた。


在义广的眼中,大船和海岸的小船往返,織田军在上岸时手忙脚乱的情景显而易见,这使他们的视野变得狭窄。


地上部隊のみに限って言えば、彼我の戦力差は五倍以上に達する。これは負ける方が難しい状況であり、織田軍と混戦状態に持ち込めれば艦砲射撃も防げる一石二鳥の状況だった。


如果仅考虑地面部队,双方的战力差距已经达到五倍以上。这是在一个难以失败的情况下,在与织田军混战的情况下,既可以避免舰炮轰击,也可以杀两鸟之间的局面。


この時代の常識として大砲と言うものは攻撃力に優れるが、命中精度が低いため射線上に自軍が存在する状況ではとても撃てたものではない。


作为这个时代的常识,大炮具有很强的攻击力,但由于精度低,当友军在射程范围内时不适合开火。


自軍の兵たちの頭越しに砲撃などしようものなら、風向きや砲に込めた火薬の量次第では自軍の将兵を吹き飛ばしてしまう代物だ。


如果试图通过我军士兵的头部进行炮击,取决于风向和炮弹中的火药量,可能会导致我军将士被吹飞。


端的に表現するならば巨大化した火縄銃であり、砲弾が球形かつ重すぎるために着弾点が何処になるかは運しだいであろうと推測した。


如果直接表达的话,它就是一支巨大化的火枪,由于炮弹是球形且过重,落点将取决于运气。


義弘は常に沖の敵母船と上陸中の織田軍の部隊とを結ぶ直線の延長線上に自軍がくるようにして脚の速い騎馬部隊をけしかける。


义弘总是督促速度较快的骑兵部队沿着连接沖敌母船和正在登陆的织田军队的直线延长线向自己的军队赶去。


するとこれを見据えていたかのように、沖に浮かんでいる織田軍の艦船が一斉に火を噴いた。


然后,就像在注视着这一切一样,在海上浮动的织田军舰船齐齐地喷出了火焰。


地上に展開する織田軍の頭越しに砲弾が飛来し、里見軍本隊から突出した騎馬部隊を吹き飛ばす。


砲弹从織田军的头顶飞来,扫荡了里见军主力部队中突出的骑兵部队。


織田軍の艦船に装備されている砲は、義弘が想像したような旧式の物ではなく、後装式かつ砲弾も流線形の外殻に包まれた最新式の物だった。


織田军的舰船上装备的炮不是義弘所想象的旧式武器,而是后装式的、炮弹也被流线型的外壳包装的最新型号。


砲弾の後ろに火薬を押し固める必要が無く、常に一定量の炸薬がセットされているため、砲弾の飛距離も把握しやすく、誤射を恐れずに砲撃出来るのだ。


炮弹后面不需要压实火药,并且炸药始终设有一定量,因此可以更轻松地掌握炮弹的飞行距离,不必担心误射,能够进行炮击。


雷鳴の如き轟音と、吹きあがる砂煙が収まったころ、義弘たちの視界に入ったのは大きくえぐれた地面と辺り一面に広がる地獄絵図だった。


当雷鸣般的轰响声和翻滚的烟尘平息下来时,出现在义弘等人眼前的是巨大的凹陷地面和到处都是地狱般的景象。


およそ人の形をとどめている死体が少ないような有様であり、人の物か馬の物かも判らない血と肉片が散らばる有様だ。


大约保留着人形的尸体很少,像是四分五裂的血肉残骸无法分辨是人还是马。


砲撃のショックから里見軍が立ち直る前に、織田軍の艦船から第二射が叩きこまれる。


在里见军恢复过来之前,织田军的船舰进行了第二轮攻击,让他们再次受到了冲击。


しかし、この砲撃は一射目程の効果を発揮しなかった。里見軍の将兵が竦(すく)みあがって一斉に足を止めたため、砲撃は彼らのかなり手前に着弾する。


然而,这次炮击并未产生太大效果。由于里见军的将士们同时惊起并停下了脚步,炮弹落在他们的相当前方。


それでも着弾と共にまき散らされる破片や、舞い上げられた土砂などに晒された最前線の里見兵が被害を受けた。


然而,随着着陆,处于最前线的里见士兵遭受了破片和升腾的泥土和砂石的影响,受到了伤害。


「ひっ……退(ひ)け! 太鼓を鳴らせ撤退じゃ!」


「快走……撤退!击响鼓声,全员撤退!」


義弘は喉が裂けんばかりに叫ぶと、全軍を丘陵地帯の後ろまで退避させるべく行動する。


义广大喊着,让全军行动起来,将其撤退到丘陵地带的后面。


それに対する織田軍側の第三射は無かった。わざと見逃されているような屈辱を感じつつも、義弘たちは佐貫城へと逃げ帰る羽目となる。


对此,織田军没有做第三轮攻击。虽然感到像是被故意忽略了一样的屈辱,但義弘们不得不逃回了佐仓城。


沖合に浮かぶ艦の甲板にて、望遠鏡を覗き込みながら里見軍が撤収していく様を眺めていた信忠は感嘆の声を上げる。


站在漂浮在沖上的船甲板上,信忠一边透过望远镜观察着里见军队撤退的情景,一边发出感叹声。


「敵ながら良き将と、兵たちだ。出鼻を挫(くじ)かれ、続いて追撃まで受けたと言うのに即座に兵を纏めて撤退してみせたぞ」


“虽然是敌人,但是将领和士兵们都是优秀的。即使我们的鼻子被打折,还受到了追击,他们立刻组织部队撤退。”


先制攻撃こそ成功したものの、里見軍を壊滅するには至らなかったのだが、信忠はこれを気にしていなかった。


尽管先发制人的攻击取得了成功,但并未使里见军覆灭,然而信忠对此并不在意。


一定の損害を与えた上に、彼我の戦力差をまざまざと見せつける事が出来た。今後は里見軍の動きも、常に砲撃を意識して鈍くなると言うものだ。


我们不仅给予了对方一定的损害,还让对方清楚地看到了他们与我们的战力差距。从现在开始,里见军也会时刻意识到炮击对他们的威胁,变得更加迟钝。


「地上部隊の展開はどうなっておる?」


「地面部队的部署情况如何?」


「はっ! 小型艇による往復輸送ではかなりの時間を要します。恐らく予定通り二日程度かかる見込みとのことです」


“啊!利用小型艇来回运输需要相当长的时间。预计需要两天左右的时间才能按计划完成。”


「ふむ、虎の子の強襲上陸艇を用いるべきだったか。しかし、今の一戦で暫くは里見も近づけまい。物見には警戒を厳にするよう伝えよ、決して注意を怠るな」


“嗯,我们应当使用虎子强袭登陆艇。但是,在这次战斗之后,里见暂时也不会靠近了。告诉侦查人员要严密警戒,绝不可懈怠。”


「はっ!」


"「はっ!」" translates to "「哈!」" in Simplified Chinese.


まさに鎧袖(がいしゅう)一触(いっしょく)の言葉通り里見軍を追い払った織田軍だが、里見軍本体は未だ健在である。


就像“鎧袖一觸”的說法一樣,織田軍成功地驅逐了里見軍的部分,但里見軍的主力仍然健在。


騎馬部隊を失ったのは痛恨だが、それでも徒(いたずら)に被害を拡大することなく兵を退かせた。


失去了骑马部队虽然严重,但我们还是没有在徒增伤害的情况下撤退了军队。


信忠は里見軍の評価を一段階引き上げることにする。現里見家当主の義弘は関東の覇者たる北条家と何度も戦い、領土の切り取り合いを繰り返しながらも里見家全盛期を築いた切れ者だ。


信忠决定将里见军的评价提高一级。现任里见家主义弘曾多次与关东霸主北条家作战,反复争夺领土,但他仍然成功地建立了里见家的全盛时期。


里見攻めはあくまでも北条攻めの前哨戦という位置づけなのだが、そう簡単には事が運びそうにないことを感じ取っていた。


里见攻势虽然只是北条攻势的前哨战,但我感觉事情不会那么容易顺利进行。


信忠が予想したように、その後の里見軍は織田軍を警戒して徹底した籠城の構えに入る。信忠は里見軍本体を釘付けに出来ている期間を活用し、まずは勝山城を陥落させた。


正如信忠所预期的那样,随后的里见军开始警惕織田军并采取了完全的固守态势。信忠利用这段时间将里见军的主力牢牢固定,首先攻克了胜山城。


勝山城は後回しにし、最優先で勝山湊を使用できるように整備すると、制海権を確保していることを盾に尾張から次々と資材等を運搬させる。


把胜山城放在后面,首要任务是整修胜山码头,借此确保海权,并运输来自尾张的物资等。


勝山湊を物資集積拠点として利用し、何もなかった佐貫城沿岸部に複数の簡易防衛拠点を構築しはじめた。


在将胜山港作为物资集中基地的同时,开始在原来毫无防御的佐仓城沿岸建设多个简易防御堡垒。


これは織田軍が火砲を主力とするまで得意としていた付城戦術であり、地上戦を展開する上では極めて有効な手段と言える。


这是織田军队在火砲成为主要武器之前所擅长的附城战术,对于地面战斗而言是非常有效的手段。


義弘とて自分の目の前で、敵軍が拠点構築している間中ずっと手を拱(こまね)いて眺めていた訳ではない。里見が落ちれば一蓮托生の関係にある北条氏や、佐竹氏に対しても援軍を要請したり、織田家と同盟関係にある上杉家に働きかけ和睦の道を探ったりもした。


义广并不是一直交叉双手眺望着敌军在他面前建造基地。如果里见失陷,他会向与北条氏或佐竹氏有着生死与共关系的援军请求帮助,或者与与织田家有同盟关系的上杉家接触并寻找和平的道路。


しかし、それら全てに於いて色よい返事が戻ってくることなく、そうこうしている間にも金谷城が落城し、城主であった正木(まさき)淡路守(あわじのかみ)は残された兵を率いて佐貫城まで落ち延びてくる。


然而,在所有这些问题上,都没有得到好的回应。在这个过程中,金谷城落城了,城主正木淡路守率领余下的士兵逃到了佐贺城。


彼の報告に拠ると金谷城の状況は佐貫城と同様に、沖から牽制の艦砲射撃を受けて満足に反撃らしい反撃を出来ないまま追い詰められたとのこと。


根据他的报告,金谷城的情况与佐仓城相似,受到海上的压制性炮火攻击,无法做出满意的反击,最终被迫退守。


このまま籠城を続けた処で状況が改善するどころか、物資や兵を消耗するだけだと判断した正木は自ら金谷城に火を放って佐貫城を目指したのだ。


正木认为继续围攻下去不仅无法改善状况,反而会耗尽物资和士兵,于是他放火烧了金谷城,前往佐贯城。


「ふむ、金谷城主は自ら城に火を放ったか。城を枕に討ち死にするかと思うたが、存外算盤(そろばん)勘定が得意な御仁と見える。構わぬ、金谷城は捨ておけ。岡本も同様に処置して構わぬ」


“嗯,金谷城主自己放火烧了城池吗?我以为他会选择在城池里战死,但看起来似乎是个擅长算账的人。没关系,金谷城可以放弃。岡本也可以同样处理。”


金谷城が炎上したとの報告を受けた信忠は前述の通りの決断を下した。里見軍と自軍との射程距離の差を考慮すれば、勝山湊を運用する上で金谷城と岡本城は目ざわりだが、確保したところで戦力を分断して配置するほどの旨みは無い。


听说金谷城已经被烧毁,信忠做出了之前所述的决定。考虑到里见军和自己军队的射程距离差异,金谷城和冈本城在使用勝山湊时可能会成为妨碍,但即使占领了它们也不会将战斗力分散配置。


勝山城周辺に一括で配置して運用した方がよほど効率的に動かせるため、金谷城及び岡本城を戦略的に無価値と断じた。


将金谷城和冈本城视为战略上无价值的,因为将它们一起部署在胜山城周围可以更有效地运作。


こうして信忠は房総半島に軍港及び要塞として勝山湊を中心に据え、佐貫城を睨む位置に付城を着々と構築していった。


就这样,信忠以胜山港为中心,在房州半岛上建立了军港和要塞,并在佐贯城的位置上稳步建造他的附属城池。


信忠率いる織田軍が里見を攻めている間、関東の盟主たる北条家が何をしていたかと言えば、史実にあった『小田原評定(ひょうじょう)』通りに軍議を繰り返し、結論を出せずにいた。


在信忠率领下的织田军攻打里见的时候,作为关东盟主的北条家却如史实中的小田原评定那样,一而再,再而三地商讨军事会议,却始终无法得出结论。


織田軍が擁する九鬼水軍の奇襲を受け、制海権を早々に奪われたのだが、その後九鬼側に目立った動きが無かった。


织田军遭到九鬼水军的突袭,很快就失去了制海权,但之后九鬼一方就没有什么明显的行动了。


沖合に集結して海に出るモノは全て沈めるだけで、一向に地上へは手を伸ばしてこないのだ。これが北条側に奇妙な余裕を与えることとなる。


在海上集结并出海的东西只是被沉没,根本没有伸手向陆地延伸。这给北条方面带来了奇怪的余地。


『喉元過ぎれば熱さを忘れる』との言葉もあるように、この作為的な余裕によって北条氏は見事に迷走する軍議の悪循環から抜け出せなくなってしまった。


正如有句谚语说的那样:“一旦口渴过去,热度就会被忘记。”由于这种人为制造的从容不迫,北条氏无法摆脱陷入迷茫的军事会议的恶性循环。


「ふむふむ。概ね予想通りに推移しているね」


“嗯嗯。总体上进展得与预期相符。”


電話を通じて届けられる定時連絡から最新の勢力図を地図上に再現する。金谷城の駒は取り除かれ、勝山湊には織田艦隊の駒が停泊し、勝山城跡に物見櫓の駒が悠然と周囲を見渡していた。


通过电话发出的定期联系,将最新的力量图在地图上再现。金谷城的棋子被移除,織田舰队的棋子停泊在胜山湊,而物色塔的棋子则优雅地四处张望着胜山城的遗址。


里見家と戦端を開いて以降は相手の動き次第で状況が変化するため不確定性が上がり、現地での詳細な情報収集が重要となる。静子は定時連絡以外にも戦況に大きな動きがあり次第、適宜電話連絡をするよう情報統括を担う真田昌幸に命じた。


自从与里见家交恶以来,情况因对手的动态而变化,不确定性增加,详细的现场情报收集变得重要。静子命令真田昌幸负责信息统合,并根据战况的变化适时进行电话联系,除了定时联络。


(敵に関する情報は勿論、自軍の武器弾薬や医薬品に糧食などの配備状況を把握しなければならない。自軍が十全に能力を発揮するよう支えるのが兵站を預かる私の仕事だから)


(不仅要了解有关敌情的信息,还要了解自己军队的武器弹药、医药品和口粮等的部署情况。我的工作是管理后勤,支持自己部队充分发挥能力。)


何かと気を配ることが多く根を詰めていた静子だが、喫緊の課題に対処できたため少しでも休憩を取るべく執務室を出た。渡り廊下を歩いていると、縁側の辺りから騒がしい声が彼女の耳に届く。


为了应对紧急任务,原本一直忙碌着,紧绷着神经的静子终于可以稍作休息了,离开了办公室。走过连廊时,从小阳台处传来嘈杂的声音,萦绕在她的耳边。


「なるほど。では、何故肥料を与えると作物が多く育つのですか?」


“原来如此。那么,为什么施肥可以使庄稼长得更多呢?”


「む、またそれですか……肥料を与えることによって不足している作物の栄養を補うことが出来るからです」


“嗯,又是这个……因为施肥可以补充作物缺乏的营养。”


「そうなのですか、四六殿は博識でおられる。では、何故必要な栄養が不足するのですか?」


“是吗,四六殿您博学多才啊。那为什么会有必要的营养不足呢?”


「ぐっ……そ、それは……」


"咕……那、那是……"


声から判断するに藤次郎(後の伊達政宗)と四六が問答をしているようだ。珍しく四六が口ごもっていることに興味を覚えた静子は、物陰から二人の様子を覗き見る。


根据声音判断,藤次郎(后来的伊达政宗)和四六似乎正在交谈。静子对罕见的四六结巴感到好奇,于是从物隐处窥看着他们的情形。


どうも農作物に関する肥料が果たす役割について藤次郎が四六に質問を投げかけ、それに四六が答えると更に藤次郎がそれを受けてさらに掘り下げた質問を投げかけるという循環が繰り返されているようだった。


似乎藤次郎问了四六有关化肥在农作物中所起的作用,四六回答后,藤次郎继续深入提出更深层次的问题,这种循环反复出现。


これは子供特有の質問に継ぐ質問という良く目にする光景なのだが、古代ギリシアの哲学者であるソクラテスが行った『無知の知』に通じるものでもあるのだ。


这是一个常见的场景,类似于孩子特有的问题,但也类似于古希腊哲学家苏格拉底提出的“无知即智慧”的思想。


『無知の知』の意味するところは、自分が無知であることを知っていることであり、藤次郎が無自覚に行っているような問答を繰り返せば自ずと自分の知識が実は薄っぺらいものであることに気付かされる。


「无知之知」的意思是,知道自己无知的事实,当富士次郎反复进行类似无意识的对话时,将会意识到自己的知识实际上是浅薄的。


実際に四六も作物の生育を促進するために栄養が必要だという事を知っているが、栄養とは一体何なのか、生育過程において何故栄養が不足するのかまでは知識が及んでいない。


实际上我们知道作物的生长需要营养来促进,但是对于营养具体是什么以及在生长过程中为什么会出现营养不足的情况,我们的知识还未涉及到。


つまりは書籍からそういうモノだと言う知識を刷り込んでいるだけで、真の理解には至っていないという事を四六はまさに痛感していることだろう。これに答えるためにはそれぞれの栄養素がどのように作物に作用するのか、また栄養素の根源は何処から来ているのか等を知る必要がある。


换句话说,46可能会痛感到他们只是从书籍中灌输了这些知识,没有真正理解。要回答这个问题,需要了解每种营养素如何作用于作物,以及营养素的来源等。


「何を騒いでいるのです?」


"你在吵什么啊?"


静子は知らぬ素振りで四六に助け舟を出すことにした。四六と藤次郎は静子の声に気付き、問答を止めて揃って向き直る。藤次郎の背後に控えている小十郎が、静子の介入に安堵している様子を見せたのが印象的だった。


静子装作不知道,决定向四六伸出援手。四六和藤次郎听到静子的声音,停止问答并一起转向她。藤次郎身后的小十郎看到静子的介入,表现出欣慰的样子,令人印象深刻。


「そんな処で大声を出していると、皆が何事かと不審がりますよ。そして四六、知らないことは恥ではありません。判らないなら調べれば良いのです、貴方は既に調べ方を身に着けていますね?」


“在这样的地方大声喊叫,会引起所有人的怀疑。而且,不知道某些事情并不丢人。如果不明白,就应该调查。你已经掌握了调查方法,不是吗?”


「は、はい」


“是,是的”


四六が首肯するのを見て、静子は満足そうに頷いた。そして次に藤次郎へと視線を向けると声を掛ける。


看着四六点头表示同意,静子满意地点了点头。接着她把目光转向藤次郎并打声招呼。


「藤次郎殿、その問答方法はかつて南蛮の偉人が大々的に行った結果、人々の恨みを買って投獄され獄死しています。その方法は他者に質問を投げかけるのではなく、己自身に問うようにすれば深い理解に至れるでしょう」


“藤次郎大人,那种问答方式曾经被南蛮的伟人广泛运用,结果招致了人们的愤怒,导致被监禁并死在监狱里。那种方式不是向他人提出问题,而是向自己提问,这样才能达到深刻的理解。”


「なんと! 私がしていたことは四六殿を不愉快にさせる行いだったのですね……四六殿、知らぬこととは言え申し訳ございませぬ」


"什么!我做的是使四六殿不愉快的行为...四六殿,虽然我并不知情,但还是很抱歉。"


静子の指摘を受けた藤次郎は、慌てて四六に向かって頭を下げた。


受到静子的指摘后,藤次郎慌张地向四六方向低下了头。


これを受けて慌てたのは四六であり、人目の有るところで自分の至らなさを暴かれるのは困るが、実際に理解が至らないことを自覚できたことは有益だったと考えた四六は言葉を返す。


这让四六感到慌乱,因为在众人面前展露出自己的不足是很难堪的。但是,他意识到自己实际上并没有理解这个问题,这对他来说是有益的。 四六回答说。


「謝罪には及びません。私も次期当主としての立場がありますので、人目の有るところでは控えて頂けるならこれまで通りにして頂いて構いません。むしろ己の不明を自覚する一助になりました」


“不需要道歉。作为下一任继承人,我有我的职责。只要你在公众场合保持低调,就可以像以前一样。这反而对我认识到自己的无知有所帮助。”


二人が互いに謝罪し合うのを眺めていた静子だが、話が堂々巡りになっているのを見てパンパンと柏手を打った。


静子看着两个人互相道歉,但发现他们的谈话陷入了僵局,于是开始了起立鼓掌。


「はい、話はそこまで。折角の機会ですから四六は藤次郎殿に図書室を案内して差し上げなさい。そこでお互いが納得するまで知識を深めあってはどうですか?」


“好的,谈话就到此为止。既然有机会,那就让四六带领藤次郎先生去图书馆参观一下吧。在那里,您们两个可以深入了解知识,直到彼此满意为止,如何?”


「はい、母上」


「是的,母亲」


「ありがとうございます、静子様」


谢谢,静子姐姐。


二人は静子に一礼をすると踵を返し、連れ立って図書室へと向かっていった。二人が立ち去るのを見送っていると、小十郎だけがその場に残っていることに気が付いて目を向ける。


两人向静子鞠了一躬,便转身一起朝图书室走去。看着他们离开的背影,小十郎才发现自己一个人留在了那里。


「我が主がご迷惑をおかけし、申し訳ございませぬ」


「我方主人给您带来不便,非常抱歉」


「構いませんよ。迷惑とも思っていませんし、四六にとっても良い刺激となるでしょう」


“没关系。 我既不认为这会给你带来麻烦,也会是四六的良好刺激。”


小十郎は静子に詫びつつも、何事かを言い出せずにいる様子だった。それを察した静子は呼び水として話題を振る。


小十郎向静子道歉,但似乎无法说出任何事情。察觉到这一点的静子作为引子开启了话题。


「藤次郎殿は母が恋しいのでしょうか、四六が私を母と呼ぶのを何処か眩しそうに見つめておられますね」


「藤次郎先生是否也想念母亲,46总是称呼我为母亲,他看着我的眼神有些迷惑」


小十郎は己の迷いを見透かされたようで大いに狼狽するが、相手は信長の懐刀と評される大人物だと思い直し口を開いた。


小十郎感觉他的迷茫被看穿了,非常慌乱,但是他意识到对方是被誉为信长右膀的大人物,于是重新开口说话。


「正にそれを言おうかと迷っておりました。主は病を得て以降、片目と共にお母上の関心をも失ってしまわれたのです」


“我正犹豫着是否要说出真相。自从主人病倒后,不仅失去了一只眼睛,而且也失去了他母亲的关心。”


小十郎は悔し気に言葉を漏らす。


小十郎懊恼地说了一句话。


藤次郎は数え年にして五つの折に天然痘を患い、それが原因で生死の境をさ迷った結果として片目を失明している。今でこそ疱瘡(ほうそう)の痕跡も薄れ、通常の容姿を取り戻しているが、回復直後は著しく醜くなっていたのであろう。


藤次郎在当年五岁时患上了天花,由此导致他生死攸关并最终失去了一只眼睛。虽然现在他的天花痕迹已经消退,外貌也恢复正常,但恢复后不久他肯定是十分丑陋的。


それ以来藤次郎の実母である義姫は、彼の弟である小次郎ばかりを可愛がるようになってしまった。父である輝宗(てるむね)は罹患の前後で態度を変えなかったのだが、優しかった母の豹変は幼い彼の心に深い影を落とした。


自那时起,藤次郎的生母义姬只喜欢他的弟弟小次郎。虽然生父輝宗在患病前后没有改变态度,但是温柔的母亲突然变得冷淡,给年幼的他留下了深深的阴影。


いつしか藤次郎は他者に対して一線を引いて接するようになり、己の心に蓋をしたように本心を見せなくなった。しかし、人質として尾張に来た事によって環境が激変し、みつおの優しさや包容力に絆(ほだ)され、また歳の近い四六もいることから本来の性格が表に浮かんできたのかもしれない。


不知何时,藤次郎开始保持距离并对他人保持一定的亲疏,不再展示真正的内心。然而,作为人质来到尾张后,环境发生了剧变,他被光彩照人的三十舍和年龄相近的四六所打动,也许这能让他原本的性格浮出水面。


(ここならば反藤次郎派の目が無いし、彼の閉ざされた心の箍(たが)が緩んだのかもしれないね)


(在这里可能没有反藤次郎派的人盯着,他封闭的心灵也可能变得松动了)


幼少期に罹った病が原因で、藤次郎は母親の愛に飢えていたのだろう。その気持ちに強引に蓋をしたがため、成長しても何処か歪な振る舞いをするのかもしれない。


可能是因为童年时期患病的缘故,藤次郎渴望得到母亲的爱。由于强行抑制了这种情感,即使长大后也可能表现出歪曲的行为。


そこに来て己を取り巻く環境が激変し、利害関係のないみつおの優しさに触れたことで飢えを自覚し、血の繋がりが無いというのに深く結びついてる静子と四六親子の様子に羨望(せんぼう)を抱いているのではないかと小十郎は語った。


在此之后,足以改变其环境的小十郎意识到了自己的渴望,而且也因此意识到了无关利害关系的Mitsuo的善良。他还表示,他可能会羡慕Shizuko和Shiro家庭的紧密联系,尽管他们并没有血缘关系。


「そして静子様が、我が主を叱って下さった事も心を開くようになった一因かと存じます」


“我认为静子女士对我们主人的斥责也是我打开心结的原因之一。”


小十郎の言葉に静子は過去を振り返る。藤次郎の行方不明騒動は大事にならずに済んだのだが、それはそれとして主君の行方を把握できずに周囲に迷惑を掛けた責は誰かが負わねばならない。


小十郎的话让静子回想起了过去。虽然藤次郎失踪事件没有闹大,但未能掌握主君行踪,给周围带来困扰的责任必须由某人承担。


その折に伊達家の近習たちは主君を庇って、自分が代わりに罰を受けると申し出たために静子がこれを一喝した。


在那个场合,伊达家的近侍为保护他们的主君,提出自己愿意代替接受惩罚,但静子当场喝止了他们。


『藤次郎殿はこれから先、幾度も理不尽な状況に身を置くことになるでしょう。彼を庇って代わりに罰を受けるということは、彼が理不尽に立ち向かう機会を奪い成長する機会を逸することを意味します。責任とは人の上に立つ者が負わねばならないのです。それが出来ないようでは人の上に立つべきではない。近習の方々は主の罰を被るのではなく、主が理不尽に挫(くじ)けぬよう傍らにあって支えることこそが責務です。役割をはき違えてはいませんか?』


“藤次郎殿今后会多次身处不合理的情况。为他受罚而保护他意味着夺取他对抗不公正的机会和成长的机会。责任应由那些作为领袖者负担。如果做不到这点,就不应该成为领袖。近臣们的职责是在主人身旁支持他,而不是为主人受罚。你们没有混淆角色吗?”


そして自身が迷子になった事で迷惑を掛け、また家臣に庇われることで己の不甲斐なさを噛みしめている藤次郎に静子は顔を向けた。


静子看向藤次郎,他迷路并给别人添麻烦,又被家臣庇护,深感自己的无能。


『藤次郎殿、貴方は伊達家の代表としてここにいるのです。貴方の一挙手一投足が貴方に仕える近習、延(ひ)いては遠く本国の命運をも左右することを自覚なさい。酷なことを言いますが、貴方が成長しなければ無用な犠牲が生まれることを意識なさい』


“藤次郎殿,您作为伊达家的代表在此。请认识到您的每一个举动都将左右着您的近臣,甚至影响着本国的命运。虽有不好听之言,但请您意识到如果您不成长,将会导致无谓的牺牲。”


静子は自分が口にしたことを思い出し、気恥ずかしさから赤面する。随分と上から物を言ったものだ、自分でも実践できているか怪しいことを十かそこらの子供に求めるのだから大人げないこと甚(はなは)だしい。


静子想起自己刚才说的话,感到尴尬地脸红。她说话太过于自信,要求十来岁的孩子们理解和实践这些可能自己也未必能做到的事情,这真是不够成熟且十分可笑的行为。


「我が主は片目を失って以来、誰からも期待を寄せられず、またそれゆえに叱られることもありませんでした」


“自从我的主人失去一只眼睛以来,没有人对他抱有期望,也没有因此受到谴责。”


小十郎の言葉に静子は史実の政宗が辿った人生を思い出した。政宗の母親である義姫は、彼女の生家である最上家と嫁いだ先の伊達家との諍(いさか)いから当主となった政宗とも関係が悪化した時期があるものの、最終的には時期折々に文をやり取りする程には和解している。


小十郎的话让静子回忆起了历史人物政宗经历的人生。政宗的母亲义姬,曾因最上家和嫁到的伊达家的争端而与成为当主的政宗关系恶化,但最终两人在相互通信后达成了和解。


戦国時代の常として己の前に立ち塞がるのならば、実母であろうとも排除することは珍しくないのだ。それにも拘わらず家から放逐するでもなし、最終的に和解に至るなど異例と言っても良いだろう。もしかするとそこには母に対する慕情があったのかも知れない。


作为战国时代的常态,如果自己面前挡道的是亲生母亲,排除她并非罕见之事。尽管如此,甚至未被放逐,最终达成和解也是不寻常的。也许在那里,还存在着对母亲的慕情。


いずれにせよ、史実から大きく状況が変化している中、四六や藤次郎がどのような成長を見せるかが楽しみであった。


无论如何,在历史事实发生重大变化的情况下,人们期待着四六和藤次郎会有怎样的成长。


当初誰しもが難航すると思われていた伊達家の人質受け入れだが、蓋を開けてみれば最初の迷子騒動以降は平穏無事に過ぎていった。


最初谁都以为接纳伊达家人质会遇到困难,但打开盖子后,自首次失踪事件后一切都过得平静无事。


伊達家の面々は当初こそ異質な尾張の生活様式に戸惑っていたが、その利便性を我が身で体験するに従って目覚ましい早さで順応している。


伊达家的成员在一开始困惑于不同于自己的尾张生活方式,但随着身体亲身体验到其便利性,以惊人的速度适应了这种生活方式。


人質に関しては当面問題ないとして、静子は喫緊の課題である報告書を手に取って読み進める。


暂时不考虑人质问题,静子拿起报告书阅读,这是她现在急需处理的任务。


「ふむ。流石は里見、そう簡単には落ちないか」


“嗯,不愧是里见,不会轻易倒下。”


定期報告を目で追いながら、戦況を示す立体地図を更新してゆく。里見家が所持していた支城の多くは陥落しているが、居城である佐貫城は健在であり、また多くの人員を抱え込みながらも困窮している様子もないとのことだ。


随着定期报告的更新,立体地图展示了战争的形势。里见家的众多支城已被攻破,但佐仓城作为家族的主城仍然安然无恙,并且没有显示出任何贫困的迹象,即使拥有大量人员。


そして信忠が危惧し、動向を探るように要望を送ってきている案件があった。それは不干渉を決め込んでいる佐竹氏の存在だ。


其中有一个请求是由信忠担心并试图找出其动向的案件。这就是佐竹家决定不干预的存在。


佐竹氏は常陸(ひたち)国(現在の茨城県の大部分)を支配する戦国大名であり、現当主である佐竹義重(よししげ)は辣腕(らつわん)で知られている。


佐竹氏是支配常陸国(现在的茨城县大部分地区)的战国大名,现任当主佐竹义重以其辣手(残酷而有能力)而闻名。


彼はこの時代では最新となる冶金(やきん)技術を導入し、莫大な資金力を手に入れることに成功しており、その資金力を背景に関東一と言われる鉄砲隊を組織するに至っている。


他引入了当时最新的冶金技术,成功获得了巨大的资金实力,并在此基础上组建了被称为“关东第一”的铁炮队。


無論、佐竹氏の擁する火縄銃は織田軍が採用する新式銃と比べると数段劣るものではある。しかし、如何に性能で劣ろうとも銃弾が命中すれば人は容易に死に至るのだ。


无论如何,佐竹氏所持有的火绳枪与織田军采用的新式枪相比,还是有很大差距的。但是,即使性能不如新式枪,只要枪弹命中,人也会很容易死亡。


多くの鉄砲を揃え、かつそれを運用できる兵士が存在するという事は決して侮れない戦力であることを意味していた。


拥有大量火器并能够运用它们的士兵是一支不可小觑的战斗力。


「彼らのことは真田さんが調べてくれているけれど、何故この状況で沈黙を守っているかが判らない。織田家が天下に覇を唱えている以上、里見が落ちれば明日は我が身として協力するか、それともこちらに臣従すべく使者を派遣してもおかしくない頃合いなんだけど……」


“虽然真田先生正在调查他们的情况,但我们不知道为什么他们在这种情况下保持沉默。既然织田家已经称霸天下,里见一旦失败,明天可能就轮到我们。我们是应该协助他们,还是应该派遣使者归顺于我们的时候了……”


里見家に対してはかなり派手にドンパチを繰り返しているため、当然間者を放っているであろう佐竹氏とて凡(おおよ)その戦況は把握していると思われる。


里见家很有可能会引起激烈的战斗,因此佐竹氏也会派出间谍来了解战况。


「佐竹氏の沈黙が北条の動きを見定めているなら良いけれど、果たしてどうなることやら」


“如果佐竹氏的沉默能够确定北条的行动,那就好了,但到底会发生什么,还真说不准。”


展開の読めないいくさは恐ろしい。何が起きても対応できるように備えると口で言うのは簡単なのだが、実行に移すとなると難しい。


展开无法预测的战争是可怕的。口头上说要准备好应对任何情况是容易的,但实际执行起来却很困难。


史実とは比べ物にならない程に豊かな織田家の財力を以てしても、東西の二方面を同時侵攻している状況下では物資を遊ばせている余裕は無い。


即使以丰富的織田家财力而言,也无法与史实相比,在同时侵略东西两个方面的情况下,没有闲置物资的余裕。


そうしている間にも月日は流れ、八月も中ごろに差し掛かっている。間も無く実りの秋を迎え、やがては厳しい冬が訪れることだろう。


就这样时间一晃,已经到了八月中旬了。很快将迎来丰收的秋天,然后便是严冬的到来。


これに対する信忠は、里見家との決着を短期決戦とするのではなく、被害を最小限に抑えるためにも包囲戦へと舵を切っている。


对此,信忠的决策并不是要与里见家进行短期决战,而是采取包围战来尽量减少损失。


信忠は信長が得意としていた付城戦略を用い、佐貫城の周りを取り囲むように付城を設けている。佐貫城へは周辺の支城から多くの人員が流入しているため、補給路を断つように付城を配置すれば兵糧攻めとなるのだ。


信忠采用信长擅长的付城战略,设置了包围佐貫城周围的付城。由于许多人从周边的支城涌入该城,因此如果将付城布置在断开补给线的位置,就会造成粮草短缺。


佐貫城を包囲しつつも勝山湊の整備を推し進め、勝山城を再建して要塞化を行っていると報告があった。勝山湊は対北条戦に於いても物流及び軍備の要(かなめ)となることから、勝山城から更に南下した位置(現在の千葉県館山市付近)に対北条の前線基地を並行して構築しているようだ。


据报道,虽然佐贯城被围攻,但推进了胜山港的整备工作,并将胜山城重新建造并作为要塞化。由于胜山港在对抗北条家的战争中成为了物流和军备的中心,因此似乎在胜山城的南面(现在的千叶县館山市附近)并列建造了北条家的前线基地。


「母上、少しお時間を頂戴できますでしょうか?」


"母亲,能给您占用一点时间吗?"


静子が考えに耽(ふけ)っていると、室外から四六の声が聞こえてきた。藤次郎や小十郎の声も漏れ聞こえてくることから、彼らが連れ立って訪ねてきたと判断した。


当静子陷入沉思之时,从房外传来了慌张的声音。从藤次郎和小十郎的声音能够分辨出他们是一起造访的。


「少しお待ちなさい」


"请等一下"


静子は一言返すと、室内に存在する機密扱いの一切合切を片付ける。戦況を示す立体地図は壁面に収納できるようになっており、壁に押し込んでしまえば他の壁面と見分けがつかない。


静子回了一句话,就开始整理室内的一切机密文件。战斗情况的立体地图可以收纳在墙上,只要把它推到墙里就看不出和其他墙面有任何不同了。


戦況に関する命令書や報告書の類を鍵のかかる収納箱に収めると、領内の内政に関する文箱を机の上に並べた。そして如何にも書類を記しているような様子を取り繕うと、彼女は四六に入室の許可を出した。


将与战况有关的命令书和报告类文件收入带锁的收纳箱内,然后将与领内内政有关的文箱摆放在桌子上。接着装作在整理文件的样子,她允许了该人进入房间。


室内外を隔てる襖を開けて入ってきたのは、静子の予想通り四六と藤次郎であった。お付きの小十郎は廊下に控えており、入室してきたのは二人のみとなる。


推开隔着室内外的襖门后走了进来,果然如静子所料,是四六和藤次郎。随从的小十郎在走廊里等候,进来的只有这两人。


「何か話がありそうだね?」


"你好像有什么话要说吧?"。


「はい。藤次郎と東国攻めに関して議論していた際に気になったことがございます。端的に申し上げて、佐竹はもう北条を裏切りましたでしょうか?」


“是的。当我们在讨论藤次郎和东国进攻时,有一件事引起了我们的注意。简言之,佐竹已经背叛了北条吗?”


いつの間に仲良くなったのか、互いに名前を呼び捨てにするようになっている事に静子は驚いた。


静子惊讶地发现,他们什么时候变得这么好,开始互相直呼对方的名字了。


そして自身も気に掛けていた佐竹氏の動向について訊ねられたことも驚愕に拍車を掛け、思わず表情に出かけたがすんでのところで無反応を貫き通す。


对于佐竹氏的动向,他也很担心,被问及这个问题更加震惊了,不由自主地露出了表情,但最终还是保持不动声色。


「本来ならば戦況を余人に知らせないのですが、別段秘密にするような事でもないので答えましょう。否です」


“本来不应该让其他人知道战况,但这不是什么特别保密的事情,所以我的答案是否定的。”


「然様ですか。我らの推測ではそろそろ北条を裏切って、こちらに接触してくるのではと予想しておりましたので意外です」


"这么说吗。我们原本预计北条很快就会背叛并接触我们,所以感到意外。"


「どうしてそう考えたの?」


你为什么会那么想呢?


「私の知る情報と、藤次郎が知っている情報を擦り合わせた結果です。かの甲斐の虎(武田信玄のこと)すら織田家の前に屈したのです。如何に好立地に城を構えているとは言え、北条だけで織田家に敵うとは思えません。そして北条家が盟主となっている同盟も、断れば北条に攻め入られることを恐れての不可侵条約に過ぎませぬ。誰もが本心から北条に臣従している訳ではないそうです」


这是我收集的情报和藤次郎所知道的情报相结合的结果。甲斐的虎(武田信玄)都在織田家面前屈服。虽然城市拥有得天独厚的地理位置,但我认为北条家族无法与織田家族相匹敌。而北条家族领导的联盟只是为了避免北条家族入侵而签署的不可侵犯条约,并不是每个人都真心归顺于北条家族。


四六と藤次郎から齎された情報に静子は感心していた。幼い彼らが辿り着いた結論は、その裏付けこそ乏しいものの、まるで無根拠に言っているわけでもないというのに、静子たちが判断した結論と同じところにあったのだ。


四六和藤次郎提供的信息让静子感到钦佩。尽管这两个年幼的孩子得出的结论缺乏充分的论据,但是静子等人得出的结论与他们相同,这并不是毫无根据的。


そして北条の影響力は協力関係にあった里見家の窮地に対して、援軍すら送れない状況とあってその低下が著しい。ことがここに至っては、北条家との同盟関係を維持するメリットは無いに等しい。


于是,北条家的影响力因为协力关系里的里见家处境的窘迫而显著下降。由于无法派遣援军,现在维持北条家的同盟关系已经没有任何好处了。


制海権すら取り返せない北条に盟主たる資格はないとして、同盟を破棄することを決断するのは自明の理と言えよう。


可以说,既然北条连海权都无法夺回,就没有资格成为盟主,决定解除同盟是显而易见的。


「良いところに気が付きましたね。とは言え、実際に佐竹氏は沈黙を保っています。貴方たちはそれをどのように判断しますか?」


“你们察觉到了一个好的机会。不过,佐竹氏其实一直保持沉默。你们要怎么判断?”


「互いの腹を探り合っているのでは無いかと考えます。劣勢にあるとは言え、未だに里見家は抗戦しており、北条とて兵力を保っています。つまり秤(はかり)の皿が織田家に傾ききっていないため、沈黙を守っているのでは無いでしょうか?」


“我认为双方都在试探对方的态度。虽然处于劣势,但里见家仍在抵抗,北条也保持着兵力。这意味着天平尚未倾向于织田家,所以他们保持沉默,不言语。”


「四六殿の言いようは迂遠(うえん)に過ぎる。要するに戦況が決定的になるまでは様子見を続け、日和見をしているだけでありましょう!」


「四六殿的话说得太迂回了。简单来说,我们只是在观望,等到战局愈加明朗之后才做出决断!」


「藤次郎、母上の御前であるぞ! 口を慎め」


"藤次郎,在母亲面前,闭嘴!"


突如として話に割って入った藤次郎の無礼を四六が咎める。誰に対しても一歩引いた立ち位置を取る四六にしては遠慮の無い物言いに、静子は二人が本当に打ち解けたことが見て取れてほくそ笑む。


突然间插话的藤次郎的无礼被四六责备。静子看到四六不论对谁都处于一步退后的位置,言语直率而无所顾虑,知道两个人真正打成一片了,因此暗自笑了。


「仲が良いね、君たち」


"你们关系好啊" (nǐmen guānxi hǎo a)


「良くはありませぬ!」


不好!


「四六殿は照れ屋で困りまする」


「四六殿是一个害羞的人,让我很困扰」


まるで正反対の言葉を口にする二人を見つめながら、何処か二人は似ているなと静子は思った。


看着说着完全相反的话语的两个人,静子觉得他们在某种程度上很相似。


【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 169 [千五百七十七年 八月中旬]的评论 (共 条)

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