002【日语有声书】【逐字高亮】《こころ》《心》 夏目漱石 -上 先生と私(2)

特別の事情のない限り、私はついに先生を見逃したかも知れなかった。
文法解析:
- 「特別の事情のない限り」:「特別の事情」というのは、普段とは異なる状況や事情のことを指します。「限り」というのは、「〜であれば」という条件を表す接続詞で、この場合は「特別の事情がなければ」という条件を表しています。
- 「私はついに先生を見逃したかも知れなかった」:「ついに」というのは、時間的に長く待った末に、やっとその状況に至ったことを表す副詞です。「先生を見逃す」というのは、先生と出会う機会を逃してしまうことを指します。「かも知れなかった」というのは、「もしかしたら」という不確定な意味を表す表現です。
重要な単語解析:
- 「特別の事情」:普段とは異なる状況や事情のことを指す名詞。
- 「限り」:ある条件を表す接続詞で、「〜であれば」という意味を持ちます。
- 「見逃す」:見る機会を逃してしまうことを表す動詞。
- 「かも知れない」:不確定な意味を持つ表現で、「もしかしたら」という意味を表します。
大抵は頭に護謨製の頭巾を被って、海老茶や紺や藍の色を波間に浮かしていた。
文法解析:
- 「大抵は」:「大抵」というのは、ほとんどの場合という意味を持つ副詞です。「は」という助詞がついていることから、話し手が述べる範囲内で、ほとんどの場合に当てはまることを表しています。
- 「護謨製の頭巾を被って」:「護謨」というのは、古代日本で武士が着用した鎧の部位の一つで、頭部を守るためのものです。「製の」は、「~製の」という表現で、そのものが作られた素材を表しています。「頭巾を被る」というのは、頭に被せるものをかぶることを表す動詞です。
重要な単語解析:
- 「護謨」:古代日本で武士が着用した鎧の部位の一つで、頭部を守るためのものを指す名詞。
- 「頭巾」:頭を覆う帽子のことを指す名詞。
- 「被る」:頭や体に何かをかぶることを表す動詞。
- 「海老茶」:茶色に近い赤褐色のことを指す名詞。
- 「紺」:濃い青色のことを指す名詞。
そういう有様を目撃したばかりの私の眼には、猿股一つで済まして皆なの前に立っているこの西洋人がいかにも珍しく見えた。
文法解析:
- 「目撃したばかりの私の眼には」:「目撃する」というのは、目に見えるものを見て、それを確認することを表す動詞です。「ばかり」というのは、時間的な意味で「たった今、〜したばかり」という意味を表す副詞です。「私の眼には」というのは、話し手が目にした光景を表しています。
- 「猿股一つで済まして」:「猿股」というのは、和服のひもを結ぶときに使う小さな金具のことを指します。「一つで済ます」というのは、たった一つの行動で問題や困難を解決することを表す表現です。「猿股一つで済まして」というのは、簡単に問題を解決してしまうという意味で使われています。
その時の私は屈托がないというよりむしろ無聊に苦しんでいた。
文法解析:
- 「屈托がないというよりむしろ無聊に苦しんでいた」:「屈托」とは、ストレスや苦労のことを指します。「屈托がない」というのは、ストレスが全くないという意味です。それに対して、「無聊に苦しんでいた」というのは、暇すぎて退屈で苦しんでいたという表現です。「むしろ」というのは、「それよりも」という比較を表す接続詞です。
私は浅い水を頭の上まで跳かして相当の深さの所まで来て、そこから先生を目標に抜手を切った。
文法解析:
- 「浅い水を頭の上まで跳かして」:「浅い水」というのは、水深が浅いことを指します。「頭の上まで跳かす」というのは、水に飛び込んだ際に、体を浮かせて顔を水面から出すことを表します。「して」というのは、前後の文と続けて読んで、この行動が先行する文に続いて起こったことであることを表します。
- 「相当の深さの所まで来て」:「相当の」というのは、大体のことを表す表現です。「深さの所」というのは、水深が深い所を指します。「まで来て」というのは、その水深に到達したことを表します。
- 「そこから先生を目標に抜手を切った」:「そこから」というのは、先に述べた水深の所からであることを指します。「先生を目標にする」というのは、泳ぎながら先生を目指すことを表します。「抜手を切る」というのは、泳ぎながら手を前に出して水をかき、泳ぐ力をつけることを表します。
重要な単語解析:
- 「飛び込む」:高所から飛び込むことを表す動詞。
- 「浮かぶ」:水面に浮かぶことを表す動詞。
- 「抜手を切る」:泳ぐ力をつけるために手を前に出して水をかくことを表す表現。