【日本小3道德】3#冲绳感谢生命祭
ヌチヌグスージ(命の祭り)(冲绳感谢生命祭)
作者:草場 一壽(くさば かずひさ)
この島のお日様は、まだ春なのに、真夏のように輝いています。空に向かって誇らしげに枝を伸ばしているのは、デイゴの木。今年も真っ赤な花をつけました。
(明明还是春天,这座岛上的太阳就如同盛夏般闪耀。刺桐树向着天空自豪地伸展树枝。今年也开着鲜红的花。)
面白い形をした石のおうちの前で、大勢の人達がお弁当を広げて、楽しそうにおしゃべりをしています。男の人が三線を弾き始めました。それに合わせて歌い出す人がいます。一人、二人と踊り出し、大賑わいとなりました。
(在形状有趣的石屋前,众多的人们展开便当,愉快地交谈。男人开始弹三味线,有人配合着三味线唱起了歌。一两人跳起了舞,热闹非凡。)
さっきから、まん丸な目でその様子を見ているのは、初めてこの島にやって来たコウちゃんです。近付いて来た島のお婆さんに尋ねました。
(从方才起,初次来到这座岛上的小宏睁着圆圆的眼睛目睹着这一切。他向渐渐走来的岛上的奶奶询问道。)
「皆で、何しているの?」
(“大家在做什么?”)
「私達に命をくれた、大事なご先祖様のお墓参りさあ。」
(“在给赋予我们生命的重要的祖先们扫墓。”)
「お墓参り?」
(“扫墓?”)
コウちゃんがおうちと思っていたのは、島独特のお墓でした。島では、春になると親戚中が集まってきて、ご先祖様に「ありがとう」を伝えるのです。びっくりしているコウちゃんに、今度はお婆さんが尋ねました。
(小宏原以为的屋子是岛上独特的坟墓。岛上一到春天,亲戚们便聚集而来,向祖先们传达感激。这次奶奶问震惊的小宏。)
「坊やに命をくれた人は、誰ねえ?」
(“赋予你生命的人是谁呢?”)
「それは……お父さんとお母さん?」
(“那个……是爸爸和妈妈?”)
「そうだねえ。命をくれた人をご先祖様と言うんだよ。」
(“没错。赋予我们生命的人是祖先。”)
「お父さんとお母さんって、僕のご先祖様なの?」
(“爸爸和妈妈是我的祖先吗?”)
「お父さんとお母さんに、命をくれた人がいなければ、坊やは生まれてないさあね。」
(“没有爸爸妈妈赋予生命的话,你是不会出生的。”)
コウちゃんの頭の中に、四人のお爺ちゃん、お婆ちゃんの顔が浮かんできました。
(小宏的脑海内浮现出了外公外婆和爷爷奶奶的脸。)
「お爺ちゃん、お婆ちゃんも、僕のご先祖様だね。」
(“外公外婆和爷爷奶奶也是我的祖先吧。”)
コウちゃんは、時々野菜を送ってくれる、曽お婆ちゃんのことを思い出しました。小さな体で、畑仕事に精を出しています。
(小宏想起了时常会送蔬菜来的曾奶奶。那小小的身体卖力地做着农活。)
コウちゃんは、曽お婆ちゃんが見せてくれた、お嫁入りの時の古い写真を思い出しました。コウちゃんが生まれた時にはもういなかった、曽お爺ちゃん、曽曽お爺ちゃんや、曽曽お婆ちゃんが写っていました。
(小宏想起了曾奶奶给他看的出嫁时的老照片。上面照着小宏出生时已经不在的曾爷爷、曾曾爷爷和曾曾奶奶。)
「僕のご先祖様って、何人いるの?」
(“我的祖先有多少人?”)
コウちゃんは、指を折って数えてみることにしました。
(小宏掰着手指试着数。)
「僕に命をくれた人、二人。」
(“赋予我生命的人有两人。”)
「お父さんとお母さんに、命をくれた人、四人。」
(“赋予爸爸妈妈生命的人有四人。”)
「お爺ちゃんとお婆ちゃんに、命をくれた人、八人。」
(“赋予爷爷奶奶、外公外婆生命的人有八人。”)
「曽お爺ちゃんと曽お婆ちゃんに、命をくれた人、十六人。」
(“赋予曾爷爷奶奶、曾外公外婆生命的人有十六人。”)
「そのまた上に、三十二人。そのまた上に……。もう数えられないよ。」
(“再往上是三十二人。再往上是……已经数不清了。”)
「ずっとずっと、宇宙の始まりから、命は続いてきたからね。数え切れないご先祖様の誰一人欠けても、坊やは生まれてこなかった、という事さあ。だから、坊やの命は、ご先祖様の命でもある訳さあね。」
(“生命是从宇宙的诞生起一直延续至今的。数不尽的祖先中少了任何一个人,你也不会出生。因此,你的生命也可以说是祖先的生命。”)
コウちゃんは、何だか不思議な気持ちがしてきました。
(小宏总觉得很不可思议。)
「坊やも大きくなって結婚して、子供が生まれるさあね。またその子供が大きくなって、結婚して子供が生まれる。命は目には見えないけれど、ずっとずっと繋がっていくのさあ。」
(“你也会长大结婚生子。你的孩子也会长大结婚生子。虽然用肉眼看不到生命,但它是一直一直往后延续下去。”)
「僕の命って、凄いんだね。」
(“我的生命好厉害啊。”)
「コウちゃん、探したぞ。」
(“小宏,我们在找你。”)
お父さんとお母さんがやって来ました。
(爸爸妈妈过来了。)
「あ、僕のご先祖様だ。」
(“啊,我的祖先。”)
いつの間にか、お日様は金色の海に沈もうとしています。
(不知不觉间,太阳即将沉入金色的大海。)
コウちゃんは、空に向かって高く高く、手を振りました。そして大きな声で言いました。
(小宏对着天空高高举起手挥动。然后大声说道。)
「命をありがとう!」
(“谢谢你们赋予我生命!”)

