【睡前故事】星の王子さま-キツネ-53

星の王子さま-キツネ-53
出発の時が近づくと、狐は言った。/临近出发的时候,狐狸说道。
「ああ、泣けてきちゃうよ。」/“啊啊、狐快要哭了!”
「君のせいだよ。僕は君を困らせたくなかったのに。君が飼い慣らしてなんて言ったから。」/“这是你的责任哦。我本不想令你困扰的,但是因为你说了养你之类的话。”
「そうだよ。その通りだよ。」/“是这样没错呢。”
「でも、君は泣くんだ。」/“但是、你哭了。”
「そうだよ。その通りだよ。」/“是这样没错呢。”
「だったら、君は損しちゃったんじゃないか?」/“这样的话,那你不是损失了吗?”
「僕は得したんだよ。小麦色の分だけ。/“我得到了哦。只有小麦色的那部分。
さあ、もう一度庭園に足を運んで,薔薇たちを見てきてごらん。/快,再去一次庭园,去看看玫瑰们。
君の薔薇は,世界にたった一つしかない薔薇の花だって,分かるから。/你的玫瑰,是世界上唯一的玫瑰,你会明白的。
そうしたら、戻ってきて,僕にさよならを言って。/然后,回到这里,跟我道别。
お別れに、秘密を一つあげるから。」/分别的时候,我要告诉你一个秘密。”
王子さまはもう一度薔薇たちを見に行った。/王子又一次去看玫瑰们。
そして言った。/然后说道。
「君たちはどれも僕の薔薇とは,全然似ていないよ。/“你们和我的花,一点也不像哦。
君たちはまだ僕にとっては,取るに足りない存在だ。/而且你们对我而言,是没有价值的存在。
飼い慣らされていないし,飼い慣らしてもいないもの。/既没有被驯养,也没有驯养别人。
会ったばかりの頃の僕の狐みたいだ。/就像是我刚遇见时的狐狸。
あの狐は他の十万匹の狐と同じ,ただの狐だった。/它曾是和其它十万只狐狸一样的,只是普通的狐狸。
でも僕は狐と友達になった。今では、世界に一匹だけの狐だよ。/可是我和狐狸成了朋友。现在它就是世界上独一无二的狐狸哦。
君たちは綺麗さ。でも、空っぽなんだ。/你们确实很漂亮。可是,是空洞的漂亮。
誰も君たちのためには死ねない。/没有人会为你们死。
もちろん、普通の通りすがりの人は,僕の薔薇を君たちと同じだと思うだろう。/当然,普通路过的人,会认为我的玫瑰和你们是一样的吧。
でも、僕の花はたった一つで,君たち全部を合わせたよりも大切なんだ。/可是,我的花只有一朵,就比你们全部加在一起还更为重要。
だって、僕が水をかけてあげたのは,あの花だから。/因为,是我为她浇的水,是那样的一朵花。
ガラスの覆いを被せてあげたのも,衝立で守ってあげたのも,/为它盖上玻璃罩,用屏风保护它,
蝶々になる二三匹を残して,毛虫を退治(たいじ)してあげたのも,/为它留下两三只会成蝴蝶的毛毛虫,消灭其他的虫,
文句を言ったり自慢したり,時々黙り込んだりするのにさえ,/它的抱怨、自我吹嘘,时而的沉默,
耳を傾けてあげたのも,あの花だけだから。/我都侧耳倾听,也只对那朵花这样。
なぜってあの花は,僕の薔薇の花だから。」/要说为什么的话,因为那是属于我的玫瑰。”
そして王子さまは狐の所に戻った。/然后王子回到了狐狸的身边。
「さよならだね。」/“再见啦。”
「ああ、さよならだ。じゃあ、秘密を教えるよ。簡単なことだ。/“啊,再见。那么,告诉你秘密吧。是很简单的事情。
心で見なければ、物事はよく見えない。一番大切なことは目に見えない。」/不用心来看的话,是看不清事物的。最重要的事情用眼睛是看不见的。”
「一番大切なことは目に見えない。」/“最重要的事情用眼睛看不见。”
「君の薔薇を何よりも大切にしたのは,君が薔薇のために費やした時間なんだ。」/“你会把你的玫瑰当作是最重要的东西,是因为你为了玫瑰所耗费的时间。”
「僕が薔薇のために費やした時間。」/“我为玫瑰所耗费的时间。”
「人間はこの真理を忘れてしまった。でも、君は忘れてはいけないよ。/“人类已经完全忘记了这个真理。可是,你可不能忘记哦。
君は飼い慣らしたものに,永遠に責任があるんだ。/你对你所养的东西,永远存有责任。
だから君は君の薔薇に責任がある。」/所以你要对你的玫瑰负责。”
「僕は、僕の薔薇に責任がある。」/“我、对我的玫瑰负责。“